「頭がいい=見た目が悪い」という偏見、「実行力≒能力」という感覚。

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そして「やる気がないのは本人の責任じゃない」ことについて。


俺も読んだよ、AERA'06.5.1-8 No.21合併特大号。「東大生の6割は美人である」、「恋のドラゴン桜大作戦」、「アルファブロガーってなんだ」。
どんだけキャッチーな記事なんだろう、って思ったね。こりゃひどいω はてな界隈のひとたちが今回のAERAに食いつくのも当たり前だわな。
ただ、アルファブロガーについての記事は、「情報考学の橋本大也さんはもの凄く人が良さそうな顔してるなぁ〜」って思ったくらいで、全然おもしろくなかったから、残りの二つについて書いてく。


このエントリの結論として何が言いたいかというと、今のように情報が氾濫している状況においては、頭のよさよりも実行力のほうが成果につながり、評価につながるんじゃないか、ということ。
最近話題の文化系女子うんぬんとか、非モテ非コミュとか、人事課は高学歴を採用しろとか、そういうハナシに共通する(かつあまり指摘されてない)ような内容にできたら俺非凡。でも多分できないね。


まずは東大生の話から。概要としては、「学歴の高い女子は親の経済力や学歴が高く、自信と意欲がある」、ということらしい。
特徴的なサンプルとして、(早大生(22)の経営する)芸能プロダクションに所属する東大生女子を例にあげ、インタビューなんかをしながら3ページにわたって特集してある。以下、インタビューを中心に引用。あんまし個人を特定できるのもナンだなーと思って中略を乱用してるけど、受ける印象を意図的に操作したりはしてないつもり。だから勘ぐらないように。
あと、引用しすぎで翻案になってるとか著作権が云々とか朝日新聞社から言われた場合には、気づきしだい即効でこの記事は引っ込めます。ていうかこういう記事が好きな人はこのエントリ読んだ後AERA買いにいけばいいじゃん。コンビニにあるよ。


さて。


ひとりめ。

「自分のエネルギーのベクトルが向きたい方向に向いた結果、今の私がある。知らないことを知るのが面白くて勉強するのも、どんなファッションがはやってるのか興味を持つのも、おいしいケーキが食べたいって思うことも、みんな私にとっては同じなんです」

このコなんですが、実は浪人時代の予備校が同じで、そのころから目立ってたから一方的に知ってた。すっげー成績いいのにオシャレですげーなぁ、とか思ってたなぁ。

一日17時間も受験勉強し(中略)
キルケゴールなどの哲学書を読みあさったことも(中略)
美容健康のためデトックスにはまり(中略)
何でもとことんのめり込むタイプなのだ。


ふたりめ。

好奇心旺盛という点は、(中略)さん(20)も同じ。

「何でもやってみたい(中略)いろんな体験ができそうだから(職業名)もいいかなって思います」

イベントコンパニオンのバイトで、路上でチラシ配りもする。「東大生たるものがそんなバイトをするなんて」などと、頭でっかちに行動を抑制することはない。


この記事ではほかに、『下流社会』を書いた三浦展が、

女性差別が強まり、勉強も仕事もできるし、容姿もきれいでモテる・・・・・・なんでも揃った女性がでてきた。代表格が美人東大女子なんでしょう」

とか言ったり、データとして(サンプル数は凄く少ないけど)

CanCam」を読んでいる人の割合は全体の13.5%。だが、「ダイヤモンドやプレジデント」などの経済誌読者における「CanCam」の読者率は、全体を母数にした場合を上回る約3割に上った。つまり、経済など硬派ニュースに関心がある人は、ファッションにも興味がある。ジャンルを問わず総じて意欲・関心が高い層、これこそが最近の東大女子の層と重なるというのだ。

なんてのを示してる。


意欲っていうか、行動力っていうかね。行動に移す力っていうか。頭がいい人は合理的判断から実行力が強くなる傾向にあって、それは見た目にも現れてくるんじゃないかと・・・。最後にまとめるよ。


はい、以上が東大生の話。


次は恋のドラゴン桜の話に移ります。長いなぁと思ったら「あとで読む」か、くらいに思って、二度と読むことはない、っていう選択肢もおすすめです。


こちらも引用していきます。


非モテ非コミュと呼ばれるひとたちには耳が痛いかもしれない、記事の筆者が同僚女性から言われたらしいきつい一言から。

「恋愛批判をしたいなら、まずモテてから言ったらどうですか。(後略)」

俺がこの筆者に救いがあるとしたら、この次。漫画『ドラゴン桜』を渡され、膨大なハウツーを間に受けて勉強する高校生の姿を見て、

偏差値30から東大合格が可能なら、恋愛でも偏差値30からの脱却はできないか。「参考書」を買い、「合格者体験記」に学び、「テクニック」でモテへの最短コースを歩めないか。それなら頭でっかちの私にもできそうだ。

ここ。「私にもできそうだ」ってとこ。偉そうにメタな解釈をするけど、「できそうか」が問題なのではなく、「できそうだと思って実行する」とこが大事なんだと思う。
この先は延々とテクニック紹介が続く。

キーワードは「清潔感」。そんなの当然だろう、という人は辛い。モテない男性はそんなことすら知らない。

知らないっていうか、知ろうとしない結果情報に遭遇しないんだと思うね。
以下、清潔になるためにいろいろアドバイスを受け、

さすがにここまで言われて、モテるにはまず「今のままの自分」を捨てなければならないと気づいた。

ある女性には、「新宿伊勢丹のメンズ館に行け」とアドバイスされた。いっそ店員にすべてをゆだねろという。

このあと筆者はそれを実行するんだけど、こんな行動、筆者はプライベートではやらないような気がする。記事を書かなければならないというキッカケ(もしかしたら言い訳)があるから実行したように思うわけ。


この先には会話のテクとか、デートの段取りとかが具体的に書いてあるんだけど、別にそんなの書いても仕方ないから書かない。読みたい奴は本屋行って買うなり立ち読みなりすりゃいい。


筆者はキッカケと言い訳があって、ハウツーに従うのは恥ずかしいとかそういう思考に邪魔されることなくとにかく実践してみて、なんだかんだで見た目も会話も改善されたそうな。
非モテとか非コミュである自分が嫌いなひとたち、どう思います?

こうして3週間が終わった。実行できなかったテクは数知れず。恋愛の合格圏内に入ったかどうかは、自信がない。だけども、自分が変わらなければ、入試すらも受けられないことはわかった。そして、「変わる」ことはそれほど苦痛でもなく、意外と楽しいことにも気づいたのだ。

だとさ。


そういえば、以前に
[Just do it 行動しないことで発生するリスク : akiyan.com]
http://www.akiyan.com/blog/archives/2006/02/just_do_it.html
なんていうエントリがあったことを思い出したなぁ。


ハウツー本を「マニュアル人間にはなりたくない」とか言ってきらったり、「恋愛の必勝本」なんてものを見たら吐き気をもよおすような人は大勢居るみたいだけど、別に、ちゃんと真心もってる人がその真心を効果的に伝えるためにハウツー本を買うのは非難されるこっちゃねぇだろ、とか思うね。ほんと思う。


とにかくね、ほんと、実際にやってみることが大事だと俺は信じてるわけ。考えナシに行動するのと、いろいろ情報を集めて吟味した後に実践するのは全然ちがうことだし。
東大生の話に関しては、経済的な要因がからんできてるかもしれないけど、勉強にのめりこんでみるっていう実践を通して、あとファッションもわからないなりに試してみる、わからないから雑誌を買って研究してみる、っていう実際の行動を通して、ああいう「成功」っぽい状態になってるわけ。
モテだとかコミュだとかだって、恥ずかしがらないでアマゾンでハウツー本を大量に買ってみて、素直に受け止めて価値観を変えて、できそうなテクニックやコネタから試してみる、そういうことをやってみるのが大事なんではなかろうか。


そういう意味で、みうらじゅんが提唱した「プレイ」の概念はイイ。例えば「親孝行プレイ」とかいって、普通じゃ恥ずかしくてやりづらい親孝行を、「悪ふざけの一環として、親孝行な息子を『演じてみる』」という観点で実践してみたりする。そういうのっていいなぁ、って思う。こういう、実行力を補助してくれる考え方っていいね。なによりマジメくさってないのがいい。


・・・でまぁ、実は実行力の前に大事なのはモチベーションなんだが、それはまた今度書くと思う。
ただ先に言っとくと、やる気がないのは罪じゃないってこと、モチベーションを持たせてくれるのは自分でなく環境であること、自分にモチベーションを沸かすテクニックは結構あること、というようなことを俺は信じてます。


あと、この変なテンションは宗教とか興味ないよ。俺はただの、糸井重里とか近藤純也のよーになりたい慶應大学の留年生です。

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レイアウト変えたらはてなブックマークのURL変わっちまった。
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コメントとかはここによろ。